土曜日、お仕事が午前中に終わったので上野に立ち寄りました。
暑い日差しの直撃を受けながら東博まで歩くのが恐ろしくてなかなか出掛ける勇気が出なかったのですが、今日が最後のチャンスです!
暑い日差しを避けながら歩いていたら、結果すごい遠回りをしてしまい1時間位かかって到着しました。(いい運動になりました♪)
青山杉雨(あおやまさんう1912-1993)は、昭和から平成にかけての日本を代表する書家で、平成4年(1992年)には文化勲章を受賞しています。正直なところ、現代に属する書家のイメージは(自分は古典派なので)興味がある反面理解できないかもしれないし、あまり期待はしていませんでした。
展示は、青山杉雨の眼として、氏が生前収集した中国明清時代の書画コレクションから始まりました。彼は三十代の頃、最後の文人と称される呉昌碩(ごしょうせき1844-1927)の作風を慕い、その書画を入手していきました。そして、63歳のとき、台北の故宮博物院で明時代の董其昌(とうきしょう1555-1636)の作品と出会い、自ら「第二の開眼」と言うほど衝撃を受け、それ以降熱心に彼の書論を精読し作品の収集に努めました。氏はたびたび中国を訪れ、中国書法の受容と普及に尽力しました。
これほど、本物を見つめ研鑽した書家は現代にいるのでしょうか?
数知れない臨書を通して氏の感性を磨き、現代の美として表現し得たことが充分に伝わってくる、見応えのある展示でした。
(ひとつだけ解らなかったことが、氏がどんなお金持ちだったのか??ということ^^;)