「升色紙」恵古臨'11/3 |
「升色紙」恵古臨'11/9 |
「升色紙」伝藤原行成筆 |
いまはゝやこひしな
万 者 悲 那
ましをあひみむと
三
たのめしことぞ
登 曽
いのちなりける
那 利
あの人がいつかお逢いしましょうと
約束した言葉こそは
私の命の支えであったのに…
好きだから書きたくなる。
3月と9月の臨書。
6ヶ月後に何か変化があったような…
初めて升色紙を見た時、この重ね書きに感動。一目惚れした。
重ね書き、余白、間のとり方…洗練された美意識にもう溜め息。
線の濃淡・太細はもちろん、丸みを帯びたような字形ひとつひとつも洒落てる。
升色紙は、平安の “三色紙”(升色紙・寸松庵色紙・継色紙)のひとつ。
清少納言の曽祖父にあたる清原深養父(きよはらのふかやぶ)の家集「深養父集」を書写したもの。藤原行成(972-1027)の筆と伝わるが確証がないという。
升色紙の散らし書きは、どれ一つとして同じ書式がない!
升色紙特有の持ち味を醸し出している。
粋で自由奔放な魅力に驚嘆するばかり。
長谷川等伯「松林図」 |
特に松を見え隠れさせる「松林図」は
余白の美・濃淡・重ね…といった
美意識と重なる。
違い棚、左右非対称、塊的なレイアウトなど
絵画や建築の中にも共通の日本の美意識がある。