磨った墨は潤滑による色の変化が美しい。
一色の墨からグラデーションが生まれ
透明感や立体感が現れる。
子どもの頃は墨を摺るのは退屈だった。
力一杯摺ったけどなかなか濃くならなかった記憶がある。
今は墨を摺るのがそんなに大変な作業ではない。
少しの水をたらし、優しく力を入れずに摺る。
わりとすぐに濃い墨液ができあがる。そんなに腕は疲れない。
硯とか墨が違うのかな。
硯の丘に少しの水を垂らし。 →少量なので時間がかからない
力を入れずに優しく。 →力を入れると粘りが出るらしい
墨を斜めにして摺る。
端渓硯麻子坑楕円型硯4吋 花梨箱付 |
3つめの「斜めにする」という点。どうしてかなと思っていたけど、最近、磨墨機の商品説明書きに
「墨の角を接点にしてできるだけ粒子の細かい墨液を作る」
というような宣伝文句を発見。
おぉ! それで「斜めに角をあてて摺る」ということなのかと納得してしまった。
ま、書道入門書の墨の摺り方には、こうしなければいけないとは書いてはいないけど。
墨って水にも敏感に反応するみたい。
ペットボトルに何ヶ月も入れてあった古い水を使ったせい
なのか、湿度のせいなのか、線の輪郭がギザギザになったり
する^^;(なんと奥が深過ぎて?!であるが)
あぁ…良い墨液を作る為の体験を積むことが大事だ。
古人は、毎日墨を摺っていたのだから。
濃くて艶やかで粘りのない墨を作る為に。